本心なのか出任せなのかは定かでないが
本心なのか出任せなのかは定かでないが、佐川が新撰組と土方に一目置いていることには間違いない。
近藤もそこまで言われて嬉しくないはずがない。
顔を綻ばせ、佐川と熱く握手を交わしていた。
「いや!予想はしていましたが、やはりこの最強集団の頭領なだけあなたからは覇気が感じられる!」
佐川はパワーを読み取るようなポーズを取った。
こりゃ嘘だな。
土方は苦笑いした。
近藤は乗せられやすい。
いつの間にか近藤は佐川と共に武士のあり方について熱弁しあっている。
近藤は話が下手なくせにこういうことが好きだ。
というか上手く口車に乗せられすぎだと思う。
美海と沖田は顔を見合わせた。【改善脫髮】4種生髮食物 助你預防脫髮! @ 香港脫髮研社 :: 痞客邦 ::
トン
急に肩を叩かれ美海は飛び上がる。
「やぁ立花さん」
聞き覚えのある声に美海は振り返った。
「松平さん!!」
松平は相変わらず綺麗に戎服を着こなしている。
それが様になっているものだから大したものだ。
「皆さんお揃いだね」
「はい。今着いたとこです」
「僕らも今着いたとこなんだよ」
ニコニコと話す松平に対し沖田は不審そうな眼差しを送る。
「えっと…彼は…」
松平は気まずそうに笑った。
「あぁ!彼は新撰組で一番隊隊長の沖田総司さんです!」
「沖田総司!君が!」
松平は目を見開いた。
「なんですか?」
その反応に沖田は不服そうに松平を見た。
「いや、思っていたより若いんだなって思って」
またもや松平は苦笑いする。
「沖田さんは私の一つ上なんです」
「へぇ!そんなに若いんだ!すごいなぁ!」
何がすごいのだろうと沖田は首を傾げた。
「あ。僕は松平太郎。新任歩兵頭だよ」
松平が手を出して来たため一応沖田も手を出す。
「よろしくお願いします」
「いやぁ。土方さんにしろ立花さんにしろ、沖田さんにまでお会いできるとは。僕は幸せ者だよ!
あ!あそこにいるのは土方さん達じゃないか。ちょっと行ってくるね」
松平はそう言うと行ってしまった。
「悪い人ではないみたいですね」
沖田は警戒を解いたようだ。走っていく松平を見ている。
「いい人なんですよ!山崎さんが運ばれたのを教えてくれたのも松平さんですし、将軍のことも教えてくれたのは松平さんですし。まぁ二回しかしゃべったことありませんけど」
沖田はホッと息を吐いた。
異様なぐらいに松平に警戒心を見せていた原因はここにあった。
自分の知らない間に美海が得体の知れない男と関わっていたことに不安を感じたのだ。
良かった…。
でもこんなこと言ったら美海さんは怒るだろうな。
自分でもびっくりするくらいの独占欲だ。
冷静に考えたらまず美海さんが女性なことを松平さんとやらは知らないですよね。
沖田はチラリと美海を見る。
というか第一全くあれ以来好きとか言われてないけど、大丈夫なんでしょうか?
私が言うのか?いやいや。ねぇ?
沖田は顔をしかめた。
「なにやってんですか?」
今度は美海が怪しげに沖田を見た。
「いっいえ?別に?」
沖田は必死に首を横に振った。
「おいおい。あれ誰なんだ?」
すっかり復活した様子の原田が美海に近づいた。
美海と土方以外のほとんどは松平を知らない。
「松平太郎さん。新任歩兵頭です。あ、原田さん。それ以上近づかないでください」
「なんでだ?」
「ゲロ臭いからです」
原田はハッとして自分を匂う。
「わ…わかんねぇ…」
「そうでしょうね」
美海は冷ややかな目で原田を見る。
「し…新八!」
「臭いな」
「総司!」
「臭いですね」
原田は目を潤ませると海の方へ走って行ってしまった。
未だしゃがみこんでいる斉藤に話しかけると何を思ったか真冬の海に飛び込んだ。
ちなみに斉藤は吐いていない。
「さっぶ!いた!さむ!」
原田はあまりの冷たさに飛びはねながら出てきた。
それを見て驚いた斉藤は急いでこっちに向かってくる。
「馬鹿ですね」
一同頷いた。
「…にしても、なんだかなぁ。もうあの三人で一組みたいな感じだな」
永倉が腕を組みながら言った。
永倉が見ているのは土方、佐川、松平の三人だ。
今も難しそうな顔をして話している。
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