「総司,お前これ巻ける?

「総司,お前これ巻ける?

「総司,お前これ巻ける?全然上手く巻けねぇんだよ。」

三津は四苦八苦する藤堂を面白がって笑っていた。

巻いてやると豪語したけど悪戦苦闘する姿がやっぱり憎めないと頬は緩みっぱなし。

「頑張って下さいよ藤堂さん。」

そんな言葉をかけるけど手伝う気も,こうしたら?と指導する気もさらさらない。

「どうやったらそうなるの?」

二人の間にやましい事は無さそうだと総司は安心した。

安心したのと藤堂の不器用さにぷっと吹き出した。

同じ箇所にばかり巻いて歪な形を作り出し,https://ventsmagazine.com/2023/12/13/understanding-adenomyosis-symptoms-causes-and-treatment-options しっかり巻けているかと思えば緩いらしく,

「だから取れちゃいますって。」

三津が足を引けばするっと抜けてしまうのだ。

これは任せてられないと腕を捲り,

「代わって!私がやるから!」

総司は藤堂を突き飛ばして三津の前に陣取った。足の怪我の具合を見て総司の表情が曇った。

「見た目より痛くないですから!」

三津はにこっと笑ってみせた。

痛くないと意地を張るとかではなく,総司と藤堂には心配かけまいと思った。

あまり納得は出来なかったが,総司は側にあった座布団を半分に折って,その上に足を持って来た。

「でもこれは医者に見てもらった方が…。」

総司の渋い顔を見て,三津は首を横に振る。

「大丈夫です!斎藤さんのお友達に見てもらったもん。」

「斎藤さんの友達?」

総司と藤堂は顔を見合わせて首を傾げた。

「斎藤に友達いたか?」

「平助,それは斎藤さんに失礼だって。」

三津が今日来てた商人で愛想がいい人だと懸命に特徴を思い出しながら説明する。

『ああ,山崎さんだ。』

二人はポンと手を打って,あの人に見てもらったなら問題ないと安堵した。

「そしたら最後までやってもらえば良かったのに。

しかも平助に頼むなんて一番駄目ですよ。」

総司に白い目を向けられたけど藤堂はにかっと笑った。

「出来ると思ったんだよ。」

でもやっぱりこう言う作業は向いてないやって,あっけらかんと言い放った。

総司は藤堂とは違って,器用に手当てを施してくれた。

「沖田さん上手。」

三津に褒められて総司は得意げに胸を張る。

「昔よく土方さんがやるのを見てましたからね。」

「土方さんが…。」

さっきのやり取りを思い出すと足首の鈍い痛みが際立つ。

土方に掴まれた感覚が若干肌にも残っていた。

『そう言えば幹部のみんなは兄弟みたいなもんやったんやっけ…。』

いつしか総司が話していた家族のような仲間の話を思い出した。

だったら総司や藤堂は自分の知らない土方を良く知ってるはず。

橘が言った言葉も気にしていた。

土方が自分に見せてる顔が,周囲に見せる顔とどう違うのか知りたかった。

「昔から土方さんはあんなの?」

「昔から人より頭がキレて悪知恵も働くし,乱暴者で,喧嘩っ早くて天の邪鬼。」

藤堂もそうそうと目を細めて頷いた。

それは今三津が見ている土方そのものな気がした。

「それでいて人一倍他人に厳しいけど,人一倍仲間想い。想うが故の厳しさです。

土方さんって人は奥が深すぎて簡単には語れません。」

総司は含みのある言い方で喉を鳴らして笑った。奥が深すぎって事は複雑って事で,知り合って間もない自分に理解出来る人間じゃない,と三津は思う。

『私に厳しくするのは私も仲間やって思ってくれてるからなんやろか。』

―――仲間想い。

だから土方の周りには総司やみんなが居るんだろうな。

土方に対する怒りがすっと抜けた。

『土方さんはちゃんと足診てくれようとしてただけやったんかな?

それって心配してくれてるって事やんね。』

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