をこらして味方の兵卒をみているが

をこらして味方の兵卒をみているが

をこらして味方の兵卒をみているが、今井がどこにいるかはわからない。

 そうこうしているうちに、七重浜方面で戦っているはずの兵卒たちが敗走してきた。その数はすくなくなく、どこの隊なのかもさっぱりわからない。

 その敗走兵を追い、www.easycorp.com.hk 敵もやってくる。

 混戦に陥った。

 って思う間もなく、箱館湾の方角から爆発音がきこえてきた。

 とはいえ、映画館でアクション映画をみるようなサラウンド感満載の大爆発シーンとはかけ離れている。

 かろうじて「爆発音かな?」って感じる程度である。

 だが、その音は混戦状態の敵味方にはっきりきこえた。

 銃を撃つ手をとめた兵卒もおおい。

「いまの爆発音は、かの「狂い犬」が敵の軍艦「朝陽」を沈めた爆発音だ。この機失するべからず」

 俊冬演じる副長が、馬上大喝した。

『この機失するべからず』

 このフレーズは、土方歳三のウィキにも記載がある。有名な台詞である。

「われこの柵にありて、退く者を斬らん」

 つづけられた名台詞。

 自分的には、「どんだけ味方を斬りたいねんっ!」ってツッコみたくなる台詞である。

 だが、この台詞はイケメン土方歳三であるからこそ似合うし許されるんだろう。

 って、そんなことはどうでもいい。

 くそっ!この名言まで飛びだしたらもう時間がない。

 思わず、「梅ちゃん」から飛び下りていた。

 自分でもなぜかはわからない。

 もしかすると、「竹殿」にすがりつくか馬前に立ちはだかるかして、俊冬を止めたかったのかもしれない。

 いまから敵に突っ込み、撃たれるであろう俊冬を……。

 無我夢中で駆け寄った瞬間、馬上からささやき声が落ちてきた。

「主計、兼定兄さんに「襲え」と命じろ。ハンドラーとして、な」

 えっ?

「相棒っ、!」

 わけがわからないって思った瞬間、それでも反射的に命じていた。

 その瞬間、俊冬が腰からを抜いた。って認識するまでには、かれは体をわずかにうしろへ向けてを発射した。

 それこそ、刹那以下の間である。いまの射撃のタイミングで、黒くしなやかな肢体が宙を舞った。そして、だれかに飛びかかったのである。

 いまの黒いのは、相棒である。

 たったいま起こったすべての出来事は、ゼロコンマ以下の出来事である。

 正直、まだ事態がまるっきり呑み込めていない。

 相棒があらわれたということは、副長がみつかったということなのか?

 いいや。もしかすると、捜すのをあきらめてこっちにきた可能性だってある。

 さきほどの一連の出来事は、俊冬が今井に向けてを撃ち、その今井に相棒が飛びかかったにちがいない。

 そんなふうに妄想している隙に、俊冬が今度は刀を抜くのを感じた。

「関の孫六」……。

 かれ自身の佩刀である。

 親父の形見のようなものである業物である。

 まずい。は、いままさに敵に突っ込むつもりだ。

 止めなければ……。

 体が動こうとしたその瞬間、相棒が駆けよってきた。

 副長を始末しようとした今井を、逆に返り討ちにしたのであろう。

 かれを殺さない程度にダメージをあたえたのだろうか。

 将来、かれが隣人を愛することは出来る程度に懲らしめただけなのだろうか。で馬前に立ちはだかって馬上を見上げているが、俊冬はこちらを見下ろしてこない。

『やめろっ!』

 言葉にならないその叫びは、いつものようにだだもれになっているはずである。

 俊冬にその叫びが届いていないわけはない。

『やめろ、俊冬っ。いかないでくれ』

 心の中で何度も叫んだ。叫びまくった。

「「竹殿」、案ずるな。おまえには銃のはあたらぬ」

 俊冬のつぶやきが落ちてきた。

 俊冬は「関の孫六」を握らぬ方の掌で、「竹殿」の頸筋を愛おしそうになでている。

「ブルルルル」

「竹殿」は、思いっきり鼻を鳴らしつつ頸を振っている。

 沢と久吉は、「竹殿」の轡を放すものかという勢いで必死につかんでいる。

「副長っ、危険です。下がってください」

「そうです、副長」

「副長、お願いです」

 これがラストチャンスである。

 沢と久吉とおれとで声をかぎりに叫んだ。

「竹殿」と鼻どうしをこすり合わせられるくらい、距離を詰めて立ちはだかった。

「副長っ」

 俊冬は、スルーしている。が、かれが迫りくる敵軍のある一点をみつめていることに気がついた。

 なにかをみつけたのか?そこになにかがあるのか?

 このときには余裕がなかったのでわからなかった。

 あとになって気がついた。

 このとき、かれは自分の腹部を撃つ狙撃手を探り当てたのだ。

 世界一のスナイパーである俊冬には、どこから狙われるかということを熟知している。

 どこから狙ってくるのか、狙撃手を探り当てることなど造作もない。

 もういい。くだらぬ演技は終わりだ。

「としふ……」

 本名を呼ぼうとした瞬間、かれがこちらに

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