「大丈夫,三津はちゃんと桂さんと向き合って

「大丈夫,三津はちゃんと桂さんと向き合って

「大丈夫,三津はちゃんと桂さんと向き合ってやっていける。私は変わらず三津が疲れた時に甘やかす都合のいい男でおる。やけぇ遠慮せず甘えて。

それで桂さんに愛想尽きたら私のところに来たらいいそ。」

「それまで待つ気なん?」

「待てるよ。あーでも一回は抱きたい。」

一回だけと人差し指を立てる入江に向かって阿呆と罵ってお尻を叩いた。

「うわぁご褒美!それは抱いてって事でいいそ?興奮させた責任取って?」

無邪気に笑う入江を三津は呆れ顔で笑った。

「気が向いたらね。」

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あくまで入江は自分から行かない。三津から来るのを待つ。それ以外で一線を超えるつもりはないとの意思表示だと三津は解釈している。

「あっ!一つだけ。幾松さんが三津やから桂さんの傍に居るの認めたみたいに私も桂さんやけぇこの位置保っとるそ。斎藤なんかに靡いたらその時は全力で奪うけぇ。」

覚悟しろよと笑った。三津も肝に銘じると笑った。

「あと色々撤回させて欲しい事があるそ。」

入江は三津の両手を取ってお願いと爽やかに笑って小首を傾げた。

「何です?」

「部屋は今のままがいい。あと桂さんの妻になっても都合のいい男のままでおる。身は引かん。

でも不義密通には絶対ならんように配慮する,それを踏まえて傍におる。」

真剣な目で伝えられた三津は目を丸くした後にふふっと声を洩らして笑った。

「結局元に戻りました?」

「戻ったな。私はこの関係は変えられんわ。

三津の全部を欲しいとは思うけど一度味を知ってしまえば歯止めがかからんくなるけぇ美味しそうやなぁって眺めとる方が色々想像出来ていいって気付いたそ。」

入江がうっとり悦な表情を浮かべたからその想像はろくなモンじゃないなと察した。美味しそうって表現がもう駄目だと思う。

「三津の事は真剣に好きや。愛してるはちょっと恥ずかしくてまだ桂さんや稔麿みたいによう言わん。

そもそもの話よ?好きやけぇ夫婦になりたい子を生したい以前に三津が笑って生きちょってくれたら私は満足なほっちゃ。」

入江は両手をしっかり握って目を細めた。

「私は男の癖に臆病や。人の死が怖い。自分が死ぬのは怖くないんやけど,周りに置いてかれるのが怖いんやって三津の言葉で気付いた。

三津と同じなんよ。大事な人に置いて逝かれるのが怖いそ。やけん多くは望まん。目の前で笑って生きとって欲しい。」

「そっか。そこが似た者同士やったんですね。」

三津は入江の手を握り返した。それから二人で笑い合った。

「ねぇ何でそれで恋仲やないそ?どう見てもお似合いやのに何で?」

また二人の世界に入っていた三津と入江は,頬に手を当てて溜息混じりにじっとこちらを見てくる文に苦笑した。フサも隣りでお似合いですと力強く頷いている。

「何やろなぁ……上手く言い表せん……。これは私らにしか分からん事や。これが答えや。それでいいやろ。」

そう言いながら文の前では気恥ずかしくて握り合ってた手をそっと離した。

「九一!そんな所で逢引しとらんと戻って来い!」

高杉の声に今行くと手を上げてそっちへ駆けて行った。その背中を見送ってからちらっと文の様子を窺った。

「……どこから聞いてました?」

「男の癖に臆病やってところ。ちょっと納得いったそ。飄々としてるように見せて繕ってたんやろなって。そこは桂様と同じね,やけぇ内面をちゃんと見てくれる三津さんがおらんと息が詰まるんやろなぁ。」

文は少しだけ表情に影を落とした。

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